雪原に残された一本の破線のような足跡は左右の歩幅の狭いキタキツネのものです、と、ここまでは私も知っていたのですが、昨日撮影したこのビデオを見てもう一つの特徴に気づきました。それは同じ路を2回以上、トレースして歩くことがよくあるということ。
なぜそれに気づいたかというと、破線をよく見ると3つに分岐している個所が何か所もあるのです。十字路になっているのであれば、前のキツネがたどった後を横切っただけですが、奇数の分岐点は少なくともどれかの足跡を2回以上たどらないと形成されないじゃないですか。(私は数学の専門じゃないので、もし間違っていたら誰か教えてください。)
キタキツネは前足の付けた跡を後足も正確にたどる
どのような歩き方をしているかを見るには足跡だけよりも実際の動画の方が説得力がありますよね。こちらの動画で前足のつけた跡に正確に後ろ足を載せていく様子が映っていました。
以前にネイチャーガイドさんが、野生動物は省エネで生きているから他の動物(人間も含む)のつけた足跡をたどって歩くことがよくあると教えてくれました。実際に歩いてみれば分かりますが、新雪の上を歩くのは気分は良いですが、実は結構エネルギーをロスするんです。前に誰かが踏み固めた跡を歩く方が、体感的には3分の一くらいのエネルギーで歩ける感じです。
キタキツネはSDGsの先駆者だった
キタキツネは前足の後を後ろ足もたどることで省エネ歩行の第1弾とし、さらに、前に誰かがたどった跡を利用して歩くことで第2段の省エネ歩行を実現していたというわけです。雪原の足跡をぼーっとみていただけではチコちゃんに叱られてしまいますが、分岐のパターンから省エネ歩行に気づくことができれば、雪国で生き延びてきた動物の賢さを実感できるというわけです。人間もエネルギーの無駄遣いを避けてSDGsでいかねばと思った、というわけでした。
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