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答えが出ないときは 考える位置を変えてみる
立場を変えると 見える世界が変わる 立場を変えてみると、世界が違って見える 正しさと分かりやすさは同じではない 先日、ソウルの地下鉄の駅で、金浦国際空港までの切符を買おうとしました。 券売機を日本語表示にしたのですが、それらしい駅名が見つかりません。 英語表示へ切り替えると「Gimpo International Airport」が見つかり、同じ運賃の日本語表示である「キンポゴンハン」が目的地だと理解できました。 後から考えると、現地の駅名の読みをカタカナで示した表記だったのでしょう。 しかし、韓国語を知らない日本人旅行者の私には、「ゴンハン」が空港を意味するとは分かりませんでした。 「金浦空港」または「キンポ空港」であれば、すぐにボタンを選べたと思います。 この経験は、情報が正確であることと、相手に伝わることは別だと教えてくれました。 表示をつくる人には分かる前提が、初めて使う人にはありません。 受け手が迷ったとき、その人の理解力を問題にする前に、受け手の位置から自分の説明を見直す必要があります。 支援する側と受ける側で違う意味合いを持つ...
10月30日読了時間: 5分


一人では見えない強み|一緒に取り組むと 自分の役割が見えてくる
一緒に取り組むと 自分の役割が見えてくる 一人で進める自由と落とし穴 一人で仕事を進めるのは気楽です。自分のペースででき、計画の途中変更もいつでもできます。深く集中したい仕事では、それが大きな強みになります。 しかし自由である分、「今日はやらなくてもよいか」と予定を先送りし、現状維持バイアスに引かれやすくもなります。誰にも迷惑をかけない計画は、いつの間にか優先順位が下がるからです。 共同作業には調整が必要です。それでも、誰かとの約束、異なる専門性、役割分担によって、一人では得られない推進力が生まれます。 相手がいるから開催できたセミナー 10月3日、私は精神科医の安田麻美先生とオンラインセミナーを開催しました。もし自分一人で開催する企画だったら、忙しさを理由に延期、あるいは中止していたかもしれません。 安田先生も予定を空け、準備してくださっていました。その存在が、「少し大変でも開催しよう」という力になりました。共同作業には、自分を不自由にするだけではなく、自分を前へ運ぶ約束があります。 内容面でも、協働の利点がありました。私はコーチングで扱え
10月23日読了時間: 5分


意見が対立する人の間で何ができる?|傾聴から組織は変わり始める
傾聴から組織は変わり始める 正しいことを伝えるだけでは動かない 部下や学生の行動に問題があると感じたとき、私たちは問題点を指摘し、正解を示して、納得させようとします。 管理職や教育者には、ルールと責任を伝える役割があるからです。 しかし、こちらが正しいことを話しているのに、相手には届かないことがあります。 相手にも、その人なりの事情や論理があります。 こちらには言い訳に見える言葉の奥に、不安や守りたいものが隠れていることもあります。 そのとき必要なのは、さらに強く説明することではなく、いったん相手が見ている世界をしっかり理解しようとすることだと思います。 学生と教員の間で聴き続けた 大学の卒後臨床研修センター長を務めていた頃、地域枠で入学した学生や研修医の進路の相談に関わりました。 大学には地域医療へ貢献する使命があります。一方、学生・研修医には一人ひとりの人生と、個人的な希望があります。 入学時には地域医療への強い思いがあっても、卒業する頃には気持ちが変わっている人もいました。 地域枠学生が他の施設で研修することに不満をもつ教員と、将来を自分で
10月9日読了時間: 5分


職場への不満を行動に変える~役職がなくても始められるリーダーシップ
大きな制度改革から身近な改善まで、気づいた人の主体性が社会を少しずつ変えます ― 愚痴を『自分にできること』へ変える主体性 皆さんは、身の回りで『どうして、いつまでもこのやり方なのだろう』『誰かが変えてくれないだろうか』と思っていることはありませんか。 職場の非効率な仕組み、女性医師が働きにくい勤務体制、必要な情報が届かない組織、地域の不便な連絡方法。 気になることがあっても、自分が声を上げるのは出過ぎたことではないかと考え、黙ってしまうことがあります。 日本では、謙虚であることが美徳とされてきました。相手を尊重し、自分の考えだけを押し通さない姿勢は、とても大切です。けれども、謙虚さと、必要な行動まで控えることは違います。 不満は、変えたいものに気づいているサイン 何かに不満を感じるとき、そこには『本当はこうあってほしい』という願いが隠れています。 連絡がもっと簡単になってほしい。 育児をしながらでも能力を発揮できる職場であってほしい。 若手が所属や地域に関係なく学べるようになってほしい。 不満そのものが悪いわけではありません。違和感に気づく感受
9月11日読了時間: 7分


面識のない人に依頼できますか~若手医師から教わった一歩踏み出す勇気
― 一歩踏み出す人のそばにいると、自分も動き出せる あなたは面識のない、ずっと年上の人に、自分たちのための講演をお願いできますか。 私は最近、皮膚科専攻医4年目の先生から、その問いを突きつけられるような経験をしました。 1人の勇気ある行動が、多くの人に勇気をもたらします といっても、先生から直接そう問われたわけではありません。 その方の行動を見て、私自身が考えさせられたのです。 面識のない若手医師から届いたメール 連絡をくださったのは、東邦大学医療センター大橋病院に勤務する、皮膚科専攻医4年目の須藤上治先生です。 須藤先生は、平成生まれの若手皮膚科医が、所属や地域の垣根を越えてつながる『平成デルマ会』の発起人でもあります。 平成デルマ会 Instagram https://www.instagram.com/heisei.derma/ 須藤先生は、私とはまったく面識がありませんでした。 それでも私のウェブサイトに掲載していた連絡先を見つけ、若手皮膚科医向けに皮膚病理のセミナーをしてもらえないかと、丁寧なメールを送ってくださいました。...
9月4日読了時間: 6分


点と点がつながるのはどんなとき?~対話で見つけた私の本当の強み
「あのときの経験は、ここにつながっていたのか」 誰かとの対話をきっかけに、過去の出来事の意味が突然見えてくることがあります。ばらばらだった点と点の間に一本の線が引かれたような、深い納得感を覚える瞬間です。 人と人の出会い、対話のなかから点と点をつなぐ線が見えてくる 後輩の言葉で見つけた、思いがけない一本の線 退職後、元の職場を訪ねたとき、ある後輩に「これから、どんなふうに仕事を続けていきたいですか」と尋ねました。 返ってきたのは、こんな言葉でした。 「点と点がつながるような生き方をしたいです」 これは、私が退任記念講演や最終講義で引用した言葉です。 スティーブ・ジョブズが語った「点と点をつなぐ」という考え方に、私は自分なりの解釈を加えて伝えていました。 どの点と点が将来つながるかは分からない。つながらない点もたくさんある。だからこそ、今できる範囲で、たくさんの点を打っておくことが大切なのではないか——という考えです。 後輩がその言葉を覚え、自分の生き方を考える道しるべにしてくれていた。 そのことを知り、私が以前に打った一つの点が、彼女の未来につな
7月31日読了時間: 4分
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