気の利いたことを言わなくては、と焦っていませんか?~コーチングで傾聴を学んでから人と話すのが怖くなくなりました

会話は自分を評価される場だと思っていた
あなたは誰かと話すとき、「何か気の利いたことを言わなければ」と焦ることはありませんか。
コーチングを学ぶ前の私は、会話の相手に面白いと思ってもらえなければ、つまらない人だと思われるのではないか、という不安がありました。
沈黙が生まれると、自分の責任のように感じていたのです。
そのため、人と会うことは楽しい一方で、どこか緊張を伴うものでした。
自分のテンションを上げ、ノリよく乗り切ろうとさえしていたと思います。
傾聴を学んで気づいたこと
ところがコーチングを学ぶ中で、私は傾聴という基本的な技術を知りました。
相手の話を遮らず、評価を急がず、相手が何を感じ、何を大切にしているのかに関心を向けます。
実践してみると、驚くほど単純なことに気づきました。
私が面白い話をしなくても、相手は自分の話を丁寧に聴いてもらうことで喜んでくれるのです。
対話は、自分の価値を証明する場ではありません。
相手の世界を見せてもらう時間だと考えられるようになり、人と話すことへのハードルがかなり下がりました。
インタビューで起きるうれしい脱線
私はYouTubeチャンネルで動画配信するために、時々、現役や引退後の大学教員や医師の方々へインタビューしています。
その際に、全体の流れは最初に同意を得ておき、いくつかの質問項目を用意して事前に相手と共有しています。
そして動画収録が始まると・・・、いつの間にか私はコーチングの傾聴モードになっていたようです。
最近の動画を見てくれた友人から言われました。
私の中には、以前のような、気の利いたコメントを言わなくては、というプレッシャーはありません。
相手の言葉の中で気になったことを尋ね、もっと聴きたいという気持ちで受け止めていると、「少し脱線するけれど、もうちょっと話していいですか」と言われることもあります。
その脱線から、学生時代の苦い思い出、予想外の展開になった企画、普段はあまり語ることの無かった思いなど、予定していなかった話が広がります。
私も楽しく、視聴者にとっても、その人の魅力が伝わる動画としてお届けできていると思います。
よいインタビューをつくるのは、気の利いた質問とは限りません。
少なくとも、私の場合は。
「あなたの話を本当に聴きたい」という姿勢なのだと思います。
相手が話し終わる前に助言を挟まない
相手が話し終わる前に評価や助言をしないことです。
相手が話している途中で、「私にも似た経験がある」と自分の話へ移してしまうと、会話の主役が入れ替わります。
自分の意見を言ってはいけないのではありません。
まず十分に聴いて、相手の気持ちを受け止めてから伝える。
その順番が、人間関係をより良くします。
相手が自分の困りごとを話している途中で、「そんなの、気にすることないよ」と言ってしまうと、言われた方は、(あなたが言うところの)『気にする必要の無いこと』でくよくよしていた自分が否定された気持ちになります。
傾聴は自分のためにもなる
傾聴は、相手を支援するための技術だと思われがちです。
しかし私にとって最初の大きな効果は、自分自身の気持ちが楽になったことでした。
会話を盛り上げなくてもよい。
すぐに正解を言わなくてもよい。
沈黙があれば、相手の言葉が出てくるのを待てばよい。
「相手の沈黙も聞く」という言葉があります。
そう考えられると、人に会って話すときの緊張が和らぎます。
また、相手を十分に理解しないまま反応してしまうことも減ります。
傾聴によって、話す側だけでなく聴く側も、人間関係の重荷から解放されるのです。
今週試したい三つの問い
1. 会話中、相手の話を聴きながら、次に自分が話すことを考えていませんか。
2. 結論や助言を急がず、もう少し話を聴いてみたい相手は誰ですか。
3. その人が大切にしていることを知るために、どんな「問い」をかけますか。
大きな技術は必要ありません。
今週一度だけ、助言も自分の体験談も少し横に置き、相手の話を最後まで聴いてみてください。
話し上手でなくても、良い人間関係はつくれます。
臨床40年、教授10年の経験とコーチングの視点から、忙しい医療者が自分の軸と人間関係を整えるメッセージを週3回お届けしています。
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